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種別 |
書籍 |
書名/特集名 |
症例!失語症のリハビリテーション ―タイプ別23症例の言語訓練 |
著者等 |
中川良尚・佐野洋子・船山道隆 |
分類 |
臨床医学系/リハビリテーション医学(医師対象) |
ISBNコード |
9784880021263 |
発行年月 |
2023年7月 |
判型 / 頁数 |
B5 / 240 |
定価 |
5,940円(本体5,400円 税10%) |

古典分類をもとによりリハビリテーションをスムーズに行うための「臨床的に有用な
失語症タイプ分類」にそって典型例23例を詳述! 江戸川病院の長期言語訓練を学ぶことで、失語症の言語訓練プランを組み立て、実践するための理解が深まります。実際の言語訓練方法も詳しくまとめられ、貴重なDVD動画もうれしい1冊。

序文に代えて
本書の理解を深める言語訓練映像について
症例の記載について
臨床的に有用な失語症タイプ分類(中川ら)
言語訓練プログラム立案のために有効な,認知神経心理学的言語情報処理モデル
失語症のリハビリテーションの全体像を知るために 書籍紹介「脳が言葉を取り戻すとき」
第Ⅰ章 非流暢性失語(発語失行あり+意味理解障害あり)
症例A 全失語 :すべての言語様式で著明な障害
:発話表出困難でアナルトリーの有無がわからない場合も含む
訓練対象とされなかった重度例に対する発症後9ヵ月時からの言語訓練の挑戦
症例B 重度混合型失語(重度運動性失語・重度Broca失語)(症例1)
:意味理解障害を伴う非流暢性失語,表出面の障害も重度
長期訓練と心理的支持により就労にまで至った重度混合型失語症例
症例C 重度混合型失語(重度運動性失語・重度Broca失語)(症例2)
:意味理解障害を伴う非流暢性失語,表出面の障害も重度
15年間の訓練で語唖の状態から簡単な意思疎通が可能となり就労に至った35歳発症症例
症例D 中等度混合型失語(中等度運動性失語・中等度Broca失語)(症例1)
:意味理解障害を伴う非流暢性失語,表出面の障害は中等度
若年失語症の主婦の機能回復と社会復帰
症例E 中等度混合型失語(中等度運動性失語・中等度Broca失語)(症例2)
:意味理解障害を伴う非流暢性失語,表出面の障害は中等度
SLTA総合評価法得点が10点に到達した左大脳半球ほぼ全域損傷若年発症症例
症例F 軽度Broca失語(軽度運動性失語・軽度混合型失語)(症例1)
:意味理解障害はごく軽度,軽度の喚語困難や音韻想起能力低下有
Broca領野および中心前回損傷の,いわゆるBroca失語の改善経過
症例G 軽度Broca失語(軽度運動性失語・軽度混合型失語)(症例2)
:意味理解障害はごく軽度,軽度の喚語困難や音韻想起能力低下有
発話失行が軽度にまで改善しても,継続的構音訓練の重要性が示唆されたBroca症例
第Ⅱ章-1 流暢性失語(発語失行なし+意味理解障害あり)
症例H Wernicke失語タイプ1(症例1)
:音韻性錯語・新造語などが著明な流暢性失語
新造語ジャルゴンが頻発した重度Wernicke失語症例の長期経過
症例I Wernicke失語タイプ1(症例2)
:音韻性錯語・新造語などが著明な流暢性失語
明らかな語聾症状を認めないWernicke失語の長期経過
─注意・意欲・発動性・遂行能力の低下を合併した重度症例─
症例J Wernicke失語タイプ2
:語性錯語中心の流暢性失語
語性錯語中心の重度Wernicke失語症例の長期経過
─ターゲットワードよりも比較的自由な場面での表出が良好であった症例─
症例K Wernicke失語タイプ3
:意図的・自動的発話乖離型の流暢性失語
課題を行う場面(意図的発話)と状況に合わせた自発話(自動的発話)で大きな乖離が認められたWernicke失語症例
症例L Wernicke失語タイプ4
:音韻想起困難型の流暢性失語,音韻想起障害が中核症状
発語失行を伴わないにもかかわらず,重度の音韻想起障害により発話が著しく停滞した流暢性失語症例
症例M 超皮質性感覚失語
:意味理解障害が中核症状,復唱は良好,語性錯語が多い
「○○○ってどういうこと?」と復唱可能でも意味理解が困難な超皮質性感覚失語症例
症例N 超皮質性運動失語
:発語開始困難や停滞が主症状,意味理解障害は軽度
処理速度に負荷をかけた訓練が奏功した超皮質性運動失語症例
症例O Broca領域失語
:Broca領域に病巣が限局しているタイプ,軽度の喚語困難と文レベルの意味理解障害を呈する
軽度の喚語困難と複雑な文レベルの意味理解障害が残存したが,職場復帰を果たしたBroca領域失語症例の経過
第Ⅱ章-2 流暢性失語(発語失行なし+意味理解障害ほぼなし)
症例P 伝導失語
:表出面の音韻の想起や配列の障害が主症状,意味理解障害はないか軽度
縁上回限局損傷による伝導失語症例の復職までの経過
症例Q 健忘失語
:語想起の障害が主症状の軽度失語症,意味理解障害はないか軽度
軽度語想起障害のみに至った健忘失語症例の機能回復と社会参加の経過
第Ⅲ章 特殊型
症例R 基底核限局病巣失語
:基底核の限局損傷による失語症,早期回復症例が多い
発症直後は重度に近い中等度の失語症であったが2ヵ月で急速に改善した左被殻限局病巣失語症例
症例S 基底核伸展病巣失語(症例1)
:被殻を中心に病巣が広い失語症,病巣の伸展状況で,症状や重症度は多様
表出面,理解面ともに多彩な症状を呈した基底核伸展病巣失語症例の長期経過
症例T 基底核伸展病巣失語(症例2)
:被殻を中心に病巣が広い失語症,病巣の伸展状況で,症状や重症度は多様
長期にわたる言語訓練中断期間があったにもかかわらず,発症後4年8ヵ月以降にも言語機能の大幅な改善を認めた基底核伸展病巣失語症例
症例U 視床失語
:損傷が視床にほぼ限局している失語症,早期回復例が多いが,計算や書字の軽度な障害が残存する
失語症状は軽快したが,発動性の低下や記憶・注意機能の低下の残存が生活面に大きく影響した症例
症例V 純粋発語失行(アナルトリー)(症例1)
:内言語障害はない,構音のプログラミングの障害による症状,重症度は多様
きわめて典型的な純粋発語失行症例の改善経過
症例W 純粋発語失行(アナルトリー)(症例2)
:内言語障害はない,構音のプログラミングの障害による症状,重症度は多様
きわめて重度の純粋発語失行症例の長期経過
─機能回復および維持のための構音訓練の重要性─