パラアスリートを支えるプロフェッショナルの言葉と選手の述懐を通して、障害のある者とない者が共に生き、よりよい明日を築いていくための視点を描いたノンフィクション。

まえがき

●第1章　走る義足で可能性を育む
義肢装具士・臼井二美男
陸上競技選手・鈴木 徹　陸上競技選手・谷 真海　自転車競技選手・藤田征樹
患者の人生に寄り添う／義足作りへの思い／“走る”義足の衝撃／スポーツ用義足の開発へ／人を引きつける力／変わらない優しさ／義足の文化を作り出す／走る義足が可能性を開く

●第2章　可能性を追求してチャレンジする
医師・近藤国嗣　義肢装具士・小川大祐
車いすバスケットボール選手・土子大輔
締め切れぬ思い／探り当てた可能性／専門医としての流儀／踏み出した一歩／義肢装具士への信頼／背中を押してくれた義足／患者へのまなざし／同志としての医療者と患者

●第3章　対話型トレーニングで気づきを促す
パーソナルトレーナー・齊藤 登
車いすバスケットボール選手・増渕倫巳
車いすバスケへの傾倒／挫折と覚悟／パーソナルトレーニングの要諦／重心への意識／日常生活というトレーニングの場／メンタルへの波及／自らを導く“叫び”／つながっていく思い

●第4章　輝ける場所をつくる
理学療法士・橘 香織
車いすバスケットボール選手・萩野真世
決断／熱中と感謝／運命の出会い／楽しさの記憶／経験と成長／新チーム結成／人を生かす視点／人が生きる場所

●第5章　体験させて世界を広げる
バラエティクラブジャパン・千葉祗暉
アルペンスキー選手・村岡桃佳
突然の病／家族の伴走／気づき／競技への目覚め／バラエティクラブジャパン設立／体験と自立／上達の喜び／笑い合える仲間／新たな世界／受け継がれていく思い

●第6章　火をつけて燃え上がらせる
視覚特別支援学校教諭・寺西真人
競泳選手・河合純一　ゴールボール選手・信澤用秀
駆け回る“目”／秘めた情熱／指導の原点／水泳部事始め／ともに戦う／支え続ける／師弟の絆

●第7章　意志を探って道を示す
生涯スポーツ学教授・野村一路
アルペンスキー選手・小池岳太
サッカー漬けの高校時代／断たれた夢／原体験／本場の刺激／レクリエーション学の追究／スポーツの“幅”／人とのつながり／世界の舞台へ／使命感

●第8章　声をかけ続けていく
兵庫県障害者スポーツ協会・増田和茂
車いすテニス選手・上地結衣
初めての日／登り始めた階段／足跡／スポーツの力／躍進と覚悟／世界を見せる／声をかける

●第9章　耳を傾けて真意を探る
理学療法士／社会福祉士・三野敏美
陸上競技選手・廣道 純
衝撃の出会い／生きる力／定めた道／障害者スポーツの世界へ／ひたむきな姿／傾聴すること／それぞれの道

●第10章　きっかけをつくって支える
養護学校教諭・渡辺孝次
元・クロスカントリースキー／バイアスロン選手・井口深雪
新天地での躍動／学校の外へ／生徒とともに／挑戦／行動力／信頼／“楽しみ”を蓄積する／ともに生きる

あとがき