救急初期診療とその後のICU管理をつなぐコンセプトのもと集中治療の基礎をまとめたハンドブック。救急外来での初期の診断・治療のアプローチと、おもに最初の24時間で行うべき集中治療について、エビデンスと実臨床に即して解説。必須の血行動態モニタリングや超音波検査、集中治療が必要となる疾患はもちろん、薬物中毒や緩和医療など関連事項まで言及。救急医と集中治療医、それを目指す研修医必携必備の書。

Section 1　イントロダクション
1 これからの救命救急医療

Section 2　血行動態モニタリング
2 組織酸素化と心拍出量
3 非侵襲的血行動態モニタリング
4 動脈圧モニタリング
5 中心静脈と肺動脈でのカテーテル

Section 3　集中治療での超音波検査
6 集中治療で指針となる超音波検査のプロトコル
7 肺の超音波検査

Section 4　肺の集中治療
8 呼吸不全と人工呼吸
9 COPD，気管支喘息，肺高血圧症での人工呼吸器を用いた治療計画
10 急性肺水腫
11 高リスクの肺塞栓症
12 急性呼吸促迫症候群
13 体外式膜型人工肺

Section 5　心血管系の集中治療
14 心不全と心原性ショック
15 右室不全
16 高血圧緊急症
17 不整脈管理をめぐる議論
18 左心補助装置
19 心停止後の管理

Section 6　神経系の集中治療
20 虚血性脳卒中（脳梗塞）
21 くも膜下出血と脳内出血
22 痙攣発作とてんかん重積状態
23 筋無力症クリーゼと末梢性神経筋障害

Section 7　消化器系と血液疾患の集中治療
24 消化管出血
25 急性肝不全と肝性脳症
26 膵炎
27 急性白血病
28 鎌状赤血球症
29 血小板障害と止血異常
30 輸血療法

Section 8　敗血症と敗血症性ショック
31 敗血症
32 昇圧薬と強心薬
33 抗菌薬治療の原則
34 免疫不全患者での感染症
35 熱傷・軟部組織感染症
36 敗血症のバイオマーカー

Section 9　酸塩基平衡障害と電解質・水バランスの異常
37 酸塩基障害
38 電解質異常
39 横紋筋融解症
40 急性腎傷害と腎代替療法

Section 10　内分泌系の集中治療
41 重症患者の血糖管理
42 糖尿病性ケトアシドーシスと高浸透圧性高血糖状態
43 副腎不全
44 甲状腺クリーゼと粘液水腫性昏睡

Section 11　毒物に対する集中治療
45 心毒性
46 肺毒性
47 薬物による高体温症
48 代謝抑制物質
49 腐食剤
50 抗凝固薬
51 薬物の乱用
52 アルコール離脱

Section 12　環境に起因する疾患の集中治療
53 低体温症
54 高所での救急医療
55 溺水

Section 13　鎮静とせん妄
56 せん妄
57 興奮状態にある患者の鎮静
58 挿管の導入と人工呼吸患者の鎮静

Section 14　老年医学と緩和ケア
59 高齢患者
60 救急での緩和医療

Section 15　救急-ICU：情報の共有
61 救急での重症患者の評価
62 疾患重症度スコアリングシステムと予後判定
63 接触感染隔離と気道感染隔離の適応

エピローグ