書名 |
現象学的看護研究 ―理論と分析の実際 |
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筆頭著者 |
松葉祥一・他編 |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-260-02048-0 |
発行年 |
2014年12月 |
判型 / 頁数 |
B5判 / 256頁 |
分類 |
基礎看護/基礎看護学/看護研究 |
価格 |
定価3,520円(本体3,200円 税10%) |
質的研究の代表的な手法の1つである現象学的研究について、基礎となる理論から具体的な分析の実際までを解説。カラー別冊「現象学的方法を用いたインタビューデータ分析の実際」では、実際の分析の流れがみえてくる。難解といわれる現象学的方法を用いた看護研究に取り組む研究者はもちろん、大学院生にも必読の1冊。
序論 現象学的研究を学ぶために
1 現象学的研究はなぜ難しいのか
2 マニュアルではなく思考の筋道を
3 本書の概要
第1部 現象学的看護研究の理論と歴史
第1章 現象学とは何か
1 なぜ現象学だったのか
2 どうすれば直接経験に帰れるか-還元
3 現象学的研究は「役に立つ」か
4 現象学は看護研究に適用できるか
第2章 現象学の歴史
1 フッサール現象学の誕生とその背景
2 『危機』書と生活世界
3 メルロ=ポンティとシュッツ
4 ディルタイと解釈学的心理学
5 ハイデガーの解釈学的現象学
第3章 現象学的看護研究の歴史と現状
1 思想としての,対人関係理解のための現象学
2 現象学を導入した理論と現象学的方法の構築
3 多様な学術論文(現象学的看護研究)へ
4 日本の動向-学位論文と特集より
5 近年の動向
第2部 研究方法としての現象学
第1章 質的研究のなかの現象学
1 量的研究方法と質的研究方法
2 質的研究方法のなかでの現象学的研究の位置づけ
3 多様な現象学的研究方法
第2章 現象学的研究の方法-哲学の視点から
1 インタビュー
2 データ分析
3 構造の取り出しと概念化
第3章 ベナーの解釈学的方法
1 解釈学的研究の特徴-人間の時間性・社会性・実践性・身体性への注目
2 解釈学的研究と現象学的研究
3 解釈学的研究の妥当性
4 解釈学的看護研究のプロセス
5 解釈学的研究への批判
【インタビュー】解釈的看護研究の方法と教育-ベナー氏に聞く
第3部 現象学的看護研究の実際 “看護”はいかに語られ継承され得るか
第1章 研究動機から研究目的へ-何を明らかにしたいのか
はじめに-方法について
1 研究動機から研究目的へ
2 “探求しようとする事象”と“私”との結びつきを解きほぐす経験の記述
3 先行研究の検討
4 共同研究のメンバーとの議論,および予備的な調査
5 予備的インタビュー
第2章 なぜ現象学を手がかりにする必要があるのかを検討する
1 事象の特徴の検討
2 事象そのものへたち帰ることの要請
第3章 調査の仕方を考える:インタビューとフィールドワーク
1 インタビューの計画
2 フォーカス・グループ・インタビュー
3 フィールドワーク
4 倫理的配慮について
第4章 データを読み,分析し,記述する
1 データの準備
2 データを繰り返し読む
3 気になる表現を読んでいく
4 語り方が示すことを読む
5 展開を読む
6 分析の視点を振り返る
7 記述を洗練する
8 記述の構成を定めて再記述する
9 考察を書き,「問題の所在」を見直す
補章
■現象学的看護研究における個人的経験
1 現象学との出会い
2 大学院生の研究の概略
3 分析における疑問
4 分析における注意点(指導を受けた内容)
5 大学院生とともに指導を受けた経験から思ったこと
■大学院生が現象学的看護研究を行った経験から
●構造を一つひとつ読み解いた,私の現象学的研究の経験の振り返り
1.研究テーマへの関心とその移り変わり
2.研究フィールドとインタビューの方法
3.データの分析・解釈方法
●学位論文において現象学を手がかりとした質的研究を行った経験
1.私が研究テーマへの関心をもったきっかけ
2.現象学,そして西村先生との出会い
3.インタビュー法とフィールド調査
4.データ分析
5.現象学を手がかりとして研究を行ったなかで
●私の研究経験
1.研究の問いを問い続けていたら,現象学がやってきた
2.研究計画を立てる
3.インタビューと分析・記述
資料編
・現象学に関する用語解説
・現象学的看護研究に関する著作紹介
・現象学的看護研究に関する国内論文紹介
・現象学的研究に関する海外論文紹介
・現象学をもっと知りたい人のためのブックガイド
あとがき
索引
別冊:現象学的方法を用いたインタビューデータ分析の実際