書名 |
「医療クライシス」を超えて ―イギリスと日本の医療・介護のゆくえ |
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筆頭著者 |
近藤克則・著 |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-260-00833-4 |
発行年 |
2012年3月 |
判型 / 頁数 |
A5判 / 328頁 |
分類 |
医学一般/医療制度(医事法制、医療経済) |
価格 |
定価3,080円(本体2,800円 税10%) |
著者が前著『「医療費抑制の時代」を超えて』で危惧していた「医療クライシス(危機・岐路)」は現実のものになった。本書ではクライシスからの脱出に必要な課題を、その現状と要因、そしてイギリスの医療・福祉改革をもとに考える。さらに「見える化」とマネジメントによる改革の課題を、介護予防と健康の社会的決定要因(健康格差)、リハビリテーション医療、終末期ケアの研究を踏まえ提示する。
序
第1章 医療クライシスの背景と医療制度改革に向けた3つの課題
1 「医療費抑制」に偏した改革の目標・方法に妥当性はあるか
2 医療費抑制による医療現場の荒廃
3 「健康格差社会」日本
4 「医療クライシス」からの脱却に向けた3つの論点
5 公的医療費拡大に向けた3つの課題
第2章 イギリスの医療制度改革-「見える化」とマネジメントによる改革
1 イギリスの医療改革から何を学ぶのか
2 ニューレイバーによるNHS改革の理念と特徴-New Public Managementの新段階
3 イギリスの医療荒廃とブレア政権による改革
4 イギリスの医療・福祉改革における質を高める仕組み
5 イギリスにおける医療政策の決定プロセス
6 2000年以降のブレア政権によるNHS改革への評価
7 ブラウン政権下の医療制度改革
8 日本への示唆
第3章 医療・福祉の「見える化」とマネジメント
1 医療・福祉の大きな流れをどう見るか?
2 医療・ケアの質向上とP4P
3 効果の「見える化」-evidence based medicine(EBM)と大規模データベース
4 「見える化」とマネジメントを進めるための5つの視点
第4章 介護予防と健康の社会的決定要因
1 介護予防政策の概要と現状,そして課題
2 検証「健康格差社会」-AGESプロジェクトからの示唆
3 健康の社会的決定要因と社会疫学
4 「もう1つの戦略」立案に向けて
第5章 リハビリテーション医療を巡る動向と課題
1 リハビリテーションを巡る動向
2 より効果的なリハビリテーションを目指した実証研究事例
3 回復期リハビリテーション病棟の光と影
4 データバンクの開発
5 リハ医療の残された課題
第6章 エンド・オブ・ライフケア
1 終末期ケアの現状
2 質の高い終末期ケアのマネジメントに向けて
3 マネジメント教育・多職種連携教育(IPE)の必要性
4 まとめ-エンド・オブ・ライフケアの課題
第7章 「評価と説明責任」と「マネジメント」の時代に向けて
1 医療・福祉界の課題
2 高齢者医療・福祉改革の課題と戦略-日本版NSF策定に向けて
あとがき
初出一覧
索引
column
円-ポンドの為替レート
キャメロン政権のNHS改革
無作為化臨床(対照比較)試験(randomized clinical/controlled trial, RCT)
偽薬(プラセーボ)・二重盲検化(double blind)RCT
システマティック(体系的)レビューとメタ分析
データバンクとは
データベースとデータマネジメント・システム
医療において脳卒中が占める位置
介護において脳卒中が占める位置
用語の違いは?-終末期ケア,ホスピス・緩和ケア,エンド・オブ・ライフケア
MDS-PC(Palliative Care)で評価した終末期ケアの質
多職種連携教育(IPE)
日本福祉大学 終末期ケア研究会10年の歩み
イギリスのホスピス・緩和ケア・プログラム
いったい誰が10年後の医療のことを考えているのか?
1人の待ち時間は約5分
エビデンスでは決まらない.利害が決める?