書名 |
逝かない身体 ―ALS的日常を生きる ≪シリーズ ケアをひらく≫ |
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筆頭著者 |
川口有美子・著 |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-260-01003-0 |
発行年 |
2009年12月 |
判型 / 頁数 |
A5判 / 276頁 |
分類 |
看護その他 |
価格 |
定価2,200円(本体2,000円 税10%) |
言葉と動きを封じられたALS患者の意思は、身体から探るしかない。ロックトインシンドロームを経て亡くなった著者の母を支えたのは、「同情より人工呼吸器」「傾聴より身体の微調整」という即物的な身体ケアだった。
かつてない微細なレンズでケアの世界を写し取った著者は、重力に抗して生き続けた母の「植物的な生」を身体ごと肯定する。
第1章 静まりゆく人
国際電話
悲しみのはじまり
こちら側にひきとめるもの
コーデリア
リンダの予言
挿管
対決と決別
疲労
期待しない自由
医療に関する約束
外へ
テレパシーの訓練
スピリチュアリティとリアリティ
父と妹
素通りしてきた人々
決められない人のそばに佇んで
遺書
第2章 湿った身体の記録
1 宝くじより希少
2 身体とスイッチの接触不良
3 湿った綿のような身体の移動
4 トイレ以上のトイレ
5 萎えた身体で慣れないトイレ
6 海底の聴覚
7 鉛の瞼
8 重力に逆らえない顎関節
9 一リットルの唾液
10 身体と世界を循環する水
11 穴にチューブ
12 管による自然食
13 罠と宴
14 徴候としての皮膚
15 眼で語られた最後の言葉
16 病人の温もり
17 発汗コミュニケーション
第3章 発信から受信へ
1 真夜中のデニーズ
2 解放
3 ゴッドマザー
4 つくられる意味
5 ブレイン・マシーンの前に
6 生きる義務
7 WWWのALS村で
終章 自然な死
二〇〇七年八月二七日/母危篤/父の入院/
母の生き霊?/足裏マッサージ/
ピーちゃんとP波/本当のお別れ/
母のいない朝に/同じ天井/夕焼け雲の葬列
あとがき