書名 |
多発性硬化症の診断と治療 |
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筆頭著者 |
吉良潤一・編(九州大学神経内科教授) |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-88002-678-7 |
発行年 |
2008年10月 |
判型 / 頁数 |
B5判 / 285頁 |
分類 |
臨床医学系/脳神経・神経内科学 |
価格 |
定価9,900円(本体9,000円 税10%) |
現在、多発性硬化症は若年層を中心に激増しています。
多発性硬化症の平均発症年齢は約30歳ですが、平均余命は健常者と大きくは変わらないことが示されています。10年ほど短いという報告もありますが、いずれにせよ患者さんはいったん発病したら40年ほども多発性硬化症を抱えて生きていくことになります。したがって、私たち神経内科医は多発性硬化症が、life-longな病気であることを認識して、現時点の治療にあたることが肝要です。患者さんの治療にベストな診療ネットワーク(専門医、一般神経内科医、コメディカルなど)を築く助けとなる1冊です。
これから学ぶ先生に最初に読んでいただくことをお薦めします。
I.序論
わが国における多発性硬化症の臨床像・診断・治療の変遷
II.総論 多発性硬化症について臨床医が知っておくべき基本事項
A.多発性硬化症の臨床疫学
B.多発性硬化症の神経病理
C.多発性硬化症の免疫学・免疫遺伝学
III.多発性硬化症の診かた
A.多発性硬化症の神経症候学
B.多発性硬化症の画像診断学
C.多発性硬化症の自己抗体
D.多発性硬化症の髄液診断学
E.多発性硬化症の電気生理診断学
F.多発性硬化症の診断基準:国際基準とわが国の診断基準
G.多発性硬化症の病型診断
H.多発性硬化症の鑑別診断
I.多発性硬化症の特殊型と類縁疾患
1)Balo病とtumefactive MS
2)Neuromyelitis optica(NMO)とアクアポリン4抗体
3)小児の急性散在性脳脊髄炎
4)アトピー性脊髄炎
J.多発性硬化症と脱髄性ニューロパチー
IV.多発性硬化症の治療の進め方
A.多発性硬化症患者へのインフォームドコンセントとQOL
B.急性増悪期の治療の進め方
1)副腎皮質ステロイド薬
2)多発性硬化症とアフェレシス
C.再発・進行防止の治療の進め方
1)インターフェロンベータ
2)シクロフォスファミド
3)アザチオプリン
4)メトトレキセート・ミトキサントロン
D.免疫グロブリン大量静注療法の位置づけ
E.多発性硬化症における対症療法と生活指導の進め方
F.妊娠したとき・出産を希望するときの治療の進め方
G.日本人多発性硬化症の特性からみた治療上の問題点
1)抗アクアポリン抗体陽性者
2)視神経脊髄型多発性硬化症
3)膠原病合併例:シェーグレン症候群を中心として
H.わが国における多発性硬化症特定疾患治療研究事業と当事者団体・患者会
V.多発性硬化症診療の未来への展望
A.多発性硬化症の軸索障害
B.多発性硬化症の疾患活動性のマーカーとそのモニタリング
C.多発性硬化症の新薬開発の現状:世界の動向と日本